グループホームで食事作りをすることの大切さ

認知症の方が少人数で
共同生活を行うグループホーム。
入居者様と介護職員が一緒になって、
食事や掃除などの家事を行います。

日常生活を送る上で欠かせない食事作り。
北陸福祉会では、介護職員が中心となり
献立を考え、買い物や調理を行なっています。

 

献立を考える際には、入居者様に食べたい物を
聞いたり、季節ごとの旬の食材を取り入れるなど
工夫をして、時に、一緒に買い物へ行ったり、
調理を手伝っていただいています。

 

施設によっては、
専門の調理スタッフが作るところもありますし、
献立作りから買い物、調理の全てを入居者様と
一緒に行なっている所もあります。
また、最近では、献立を外部に委託したり
チルド食品を活用している所も増えてきているようです。

 

認知症になると、調理することが
困難になったり、買い物が
できなくなることがあります。
認知機能の低下によって、食事量が減ったり、
食事以外の物を食べたり、毎回同じ物しか
食べなくなってしまうこともあります。
また、噛む力や飲み込む力が衰えてきて、
食事中によくむせる、飲み込みづらいなどの
症状が出てくることがあります。

 

そうなると必要な栄養やカロリー摂取ができず、
健康を害することや、衰弱するなど生命の維持が
困難になる場合もあります。

食べることは、栄養を摂ること。
人間の基本的欲求であり、
生命維持に欠かせないことです。

 

口から食べることで、唾液が分泌され、
唾液の殺菌作用で感染を予防が出来ますし、
認知症に良い効果があるといわれる五感
(視覚(見る)・聴覚(聴く)・嗅覚(嗅ぐ)・味覚(味わう)・触覚(触れる))を
刺激することで脳が活性化され、
免疫力や記憶力を高めることから、
事業所内において食事作りをすることの
大切さがわかります。

 

食事における「五感」について
想像してみてください。

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一、料理の艶や色、形といった目で感じる視覚

 

一、甘い・酸っぱい・しょっぱい・苦い・旨いといった舌で感じる味覚

 

一、料理の固さや柔らかさ・パリパリ・ネバネバなど歯や舌で感じる触覚

 

一、肉や野菜を焼いたり、揚げている音など耳で感じる聴覚

 

一、パンの焼けた香ばしい香りやカレーの香りなど鼻で感じる嗅覚

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また、旬の食材や季節ごとのイベントに合わせた
メニューを取り入れることも
五感の刺激になります。
おいしい食事を楽しむことは、
体の栄養だけでなく心の栄養にもなり、
健康へ繋げることができます。
「おいしかったな」「お腹いっぱいだ」という
満足感が得られれば気持ちも明るくなりますね。

たとえ認知症で自分の意思が伝えられなくても、
食べる楽しさや、誰かと食べることの喜びを
感じてもらえる支援が、
認知症の方にとってこれからの人生を穏やかに
過ごしてもらうことに繋がるのです。

 

家庭的な雰囲気の下で入居者様お一人おひとりと
関わることができるグループホームだからこそ、
入居者様の「食べるチカラ」にあわせた食事を、
明るく楽しい食事時間を提供できるのではないでしょうか。